どうしても、損したくなかった

3LDKのつもりで暮らしていたのに、売りに出すときの間取り表記はまさかの「1LDKSS」。この表記が売却にどう影響するのか、不安はありました。でも、だからといって最初から弱気な価格にはできませんでした。

土地も高く、購入時の金額は7000万円以上。しかもまだ住んで3年ほど。家もきれいに使っているつもりで、築年数も浅い。できれば購入時と同じくらいで売りたい——いや、「どうしても損したくない!」という気持ちが強かったんです。

ここで大阪魂に火がつきました。「いやいや、買ったばっかやし」「まだ新しいし」「できるだけ損せずに売りたいな」。そんな気持ちで、我が家は購入時と同じくらいの金額で売りに出すことにしました。

不動産屋さんからは「価格設定は大事。高く出して売れず値下げを重ねると、見ている人から"まだ下がるかも"と思われる」と聞いていました。わかってはいたのですが、それでも最初は強気でいきたかった。だって、損したくないから。

Web広告用の写真撮影で、過去一番の掃除

価格が決まると、次はWeb広告用の準備。家の写真を撮ってもらうことになりました。このとき、我が家は過去一番掃除しました。本当に、過去一番です。キッチン、洗面所、お風呂、トイレ、玄関、リビング、収納の見えるところまで、とにかく家じゅうを磨きました。

そして、間取り表記が需要に影響することもある——そういう話も聞きました。需要がないと判断されると、売れない可能性もある。その言葉は、なかなか重かったです。「売れない可能性」。考えたくないけれど、考えなければいけない現実でした。

売れないと、話が進まない

この頃には、長野に行く覚悟はかなり決まっていました。インターに通うために横浜を出る——その気持ちは固まりつつありました。

でも、家が売れないと話が進みません。住宅ローンもあります。横浜の家を持ったまま長野で新生活を始めるのは、我が家には現実的ではありませんでした。

気持ちは前に進んでいるのに、家が動かない。この状態はかなりもどかしかった。「行きたい」「でも売れない」「売れないと行けない」「じゃあ価格を下げる?」「でも損したくない」——そんなことを夫婦で何度も話しました。

掲載から3ヶ月、内見依頼ゼロ

そして現実は、なかなか厳しいものでした。掲載から3ヶ月。内見依頼、ゼロ。

このまま待つのか。価格を見直すのか。掲載内容を変えるのか。少しずつ現実的に考え始めました。

最初は強気で出した価格。でも、このまま半年、1年と売れなかったらどうするのか。長野への準備も、学校のことも、仕事のこともある。家が売れるかどうかで、すべてのスケジュールが変わってしまうかもしれない。「そろそろ、価格のことも考えなあかんのかな」——そんな空気が、夫婦の間にも少しずつ出てきました。

そのときです。まったく動きのなかった我が家に、ついに連絡が入ります。

内見希望。

3ヶ月間何もなかった我が家に、ついに内見依頼が来たのです。(#8へ続く)