ついに、初めての内見希望
Web広告には掲載されている。写真もきれいに撮ってもらった。価格も強気だけど、自分たちとしては納得して出している。それなのに、内見依頼はゼロ。
長野に行く覚悟は決まってきているのに、家が売れないと話が進まない。「そろそろ価格の見直しも考えた方がいいのかな」——そんな空気が夫婦の間にも出始めていました。
そのときです。ついに、1件の内見希望が入りました。やった〜〜〜〜〜!
まだ売れると決まったわけでもないのに、夫婦で大喜び。「え、見に来てくれるってこと?」「ついに?」「ほんまに?」。3ヶ月間まったく動かなかった我が家に、初めての内見。たった1件。でも、その1件がとても大きく感じました。
内見が決まって、まずやったこと——とにかく掃除
内見が決まって、まず一番大切だと思ったのは掃除です。とにかく掃除。売ると決めてからもかなり掃除はしていましたが、内見となると気合いが違います。
Web写真のときも過去一番掃除したつもりでした。でも、実際に人が家の中を見に来るとなると、写真とはまた別の緊張感があります。リビングだけきれいにしておけばいいわけではありません。キッチン、洗面所、お風呂、トイレ、寝室、子ども部屋、玄関、収納——全部見られる可能性があります。
良く見せたい。でも、正直でいたい
家を買うかもしれない人が見るわけです。「ここに住んだらどんな感じかな」と想像してもらえるよう、できるだけ良く見せたい気持ちはあります。でも、実際に住むかもしれない人に、都合のいいことだけを言うのは違う気がしていました。だから、聞かれたことにはできるだけ正直に答えました。
近所付き合いについても、正直に話した
その中で、近所付き合いについても聞かれました。これは住む人にとってかなり大事なこと。家そのものが気に入っても、近所付き合いがしんどいと暮らしにくい。だからここも、包み隠さず話すことにしました。
正直に言うと、近所には1人、いわゆる "ドン" みたいなおばさんがいました。でも、決して悪い人ではありません。しっかり挨拶をして愛想よく接していれば、すごく良くしてくれる方でした。実際、私たちは嫌な思いをしたことはありませんでした。ただ、挨拶をしなかったり距離感を間違えたりすると、少し厄介なことになった人もいたようです。そのあたりも含めて、正直に伝えました。
マイナスに感じられるかもしれない。でも、隠すよりも全部話した方が信頼してもらえると思いました。「みなさんいい人です」で終わらせるのではなく、「こういう方がいます。でも、こう接していれば本当に良くしてくれます」と伝える。家だけでなく、そこでの暮らしまで含めて判断してもらいたかったんです。
友達なのに、他人行儀
少し笑える話も。今回、売却をお願いしていた不動産屋さんは、横浜で新しくできた友達家族の旦那さんでした。でも、内見が始まる前にその友達から言われたんです。
「友達感が出ちゃうと、こっちに良くしようとしてる、みたいに見えるかもしれないから、今日は他人行儀に話すね。しっかりやってな!」
たしかに。買う側からすると、売主と不動産屋さんがあまりに仲良さそうだと、ちょっと違和感があるかもしれません。ということで、当日はお互い少しよそよそしく対応。普段は普通に話すのに、急にビジネスモード。それがなんだかおかしくて、後から夫婦で笑いました。家を売るって、こういう細かいところまで気を使うんだなと思いました。
内見は、無事終了
そんなこんなで、初めての内見は無事に終わりました。全部屋を見てもらい、収納も見てもらい、写真も撮られ、質問にも答えました。あいにくの雨でしたが、逆に雨の日の明るさや動線も見てもらえた。近所のことも家のことも、できる限り正直に話しました。
最後は「また後日ご連絡します」という形で終了。まだ何も決まっていません。でも、3ヶ月間まったく動かなかった我が家に、初めて人が見に来てくれた。それだけで、大きな一歩でした。
「どうだったかな」「気に入ってくれたかな」「でも雨だったしな」「いや、逆によかったかも」。内見が終わったあとも、夫婦でずっとそんな話をしていました。
たった1件の内見。でも、その1件が、我が家の売却を大きく動かすことになります。(#9へ続く)